読書記録

読んだ本の感想まとめ。

夜長姫と耳男

夜長姫と耳男 (立東舎 乙女の本棚)

夜長姫と耳男 (立東舎 乙女の本棚)

  • 作者:坂口安吾
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: 単行本
主人公の畏怖が恋慕に変わってないか、と考えてしまうのは私の脳内が妄想に塗れているせいだろうか。
耳男の献身はどういう感情が素になっているのか……。
姫への献身が過ぎて、物語後半から倫理観が死んでいる。

好きなものは呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。

やっぱり姫のこの言葉が一番印象的。救いがないラスト、だがそこがいい。
耳男は自害したのだろうか。明示されていないのがまたいい。