- 作者:那須 正幹
- 発売日: 1987/12/01
- メディア: 新書
選出すべきが小学校の児童会長程度なら、ハチベエのように推薦とは無縁な人間がお立ち台に立つこともできる。でも都道府県知事や国会議員レベルになってくると、そもそも立派な職務経歴を持っていないと振り落とされるし、投票者が公約や演説から人柄を見抜こうとするのは至難の業。
本人の意欲を伴わない武道の練習なんて、虐めと本質は変わらないよな。ハチベエの「道場でやればいい」という指摘はもっともだと思う。私は柔道に関しちゃ無知だけど、初心者の練習だったら尚更受け身を上手く取れなくても怪我するリスクの低い、道場でやるべき。外でやって、転んだ拍子に後頭部に石か何かが直撃して脳しんとうを起こしたら、どうやって責任取るつもりなんだこいつら。
小学校の児童会長選挙で後援会とはね。現実の選挙と重なっちゃうなあ。事前運動にならない範囲で立候補者の名前を認知させる方法……。
ハカセは学校の成績は振るわないけど、大統領選挙のことをインプットしてるあたり、本当の意味で頭がいいってのはこういう人のことを言うのでは?と思う。インプットのジャンルが広く、アウトプットのTPOも適切な人。
ハカセって未来編ではどんな仕事に就いてるんだろう。
しかし後援会の活動が大きくなるにつれ、主要メンバーの目が行き届かなくなって、結果的に選挙違反が生まれてしまう。実際の選挙でも起こっていることなのかね。
津久田は低学年の頃は弱虫で病弱だったのに、なんで皆本くんをクズだなんて言うんだろう。当時の自分を恥だと思って記憶の底に封印しているのか?
選挙の結果が秀逸だった。ご都合ハッピーエンドでもなく、ハチベエにとって苦い思い出にもしない。落としどころが絶妙。