読書記録

読んだ本の感想まとめ。

カラフル

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売春する女子中学生と不倫する母親が登場するけど、ティーンズが読んでいいやつなの、これ? と思ったけど私も小学生の頃から東野圭吾とか読んでたわ。

私はうつ病患者で、希死念慮を抱いたことがあるので真の自殺を糾弾する資格なんてないのだけど、生きたいと思えたならぼちぼち生きてみればいいと思う。

14番目の標的の新一の言葉を思い出した。「事実でもそれがイコール真実とは限らない」

母親の長い手紙。平凡であることの何がそんなに不満なのか。この世は僅少の非凡な人間と大多数の平凡な人間で構成されている。この文明を発展させるのは一握りの天才だが、この文明を維持していくのは数十億人の凡才だ。
第一どんな習い事をしても人並にできるというのは、むしろ才能では?
なんでもそつなくこなせるってことでしょう。貴女が憧れる非凡な人間は、才能が1ジャンルに突出している分、他の分野で強い苦手意識や生き辛さを感じているのかもしれない。呼吸のしやすい環境が酷く限定されているのかもしれない。そういうふうに考えたことはないのだろうか。
そもそも恋愛に興味が持てない人間からすると、一人の人間に愛され結ばれたこと自体が才能だと思うが。
この手紙をどういう角度で読んでも、母親の不倫は正当化されない。

人は自分でも気づかないところで、だれかを救ったり苦しめたりしている。この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷ってる。

肝に銘じたい。たぶん誰も救ったことがない人も、誰も苦しめたことがない人もいないんだと思う。

主人公が美術科のある高校への進学を断るシーンで、遅まきながら、ひょっとして主人公は前世の記憶を無くした真本人なのではないか?という仮説を立てた。

それから、天使?のプラプラも、実は大昔に真と同じ罪を犯した人間なのではないか? 今は何百年、何千年と続く贖罪期間の真っ最中なのではないか? と勝手に妄想するなどした。人類で最初に自殺した元人間だったりしてな。なお根拠はない。