読書記録

読んだ本の感想まとめ。

お金本

「はじめに」の

金がないからこそ『真の作家』たり得た。

という言葉のインパクトが強すぎる。この本を一言で表現するならこれが最適だろう。どの作家も軒並み、貧困に対する耐性値が高すぎて心配になる。そのくせまとまった金が転がり込んでくれば、酒を飲んで使ってしまう人が目立つ。没後文豪となった人達の逸話だからこそ苦笑していられるが、当時周囲の人間からすると作家=愚か者と定義付けても無理からぬことだっただろう。

芥川龍之介の熱烈な恋文は、安っぽい少女漫画を読むよりよほど印象に残る。

僕は 文ちゃんが好きです。それだけでよければ 来て下さい。

相手以外に読まれることを想定していた芥川さんも、後世の出版物で堂々曝されるとは思っていなかっただろう。今頃あの世で膝を抱えていると思う。

角田光代さんが語る「貯金額だけが異様に高い人」も印象深い。老後資金2000万とか言われる時代だけど、せめて20代のうちは金を使って自分の基礎を作らないと、自己紹介で貯金額しか語ることがない人間になってしまう。ある程度齢を取った時、周囲に「この人は金にがめつい以外に特徴のない人」と思われるのは御免である。

最終ページに「火の車の歌」を載せた急角度斜め上からのセンスは嫌いじゃない。